第21話 手その5 柳猫

ピシャン!とコンクリートの壁を叩いた瞬間・・・

「ガサガサガサガサッ!!」

と音を立てるかのように、その「手」はコンクリートの壁面を上へと「登っていった」そうです。

姉が今までの人生で、一番びっくりした体験だそうで、
ご丁寧にもその経験をした6畳間で楽しそうに話してくれました。(^^;

第22話  楠の木の傍で 柳猫
姉の話題連作です。(^^;

さっきの話がわかり難かったかもしれないんでこっちは判りやすいのを・・・

時期も場所も同じ頃の話です。
日中、午前か午後かはよく聞かなかったんですが、とにかく日がまだ高い頃、姉は前日に干した洗濯物を取り込んでいたそうなんです。

ふと、ベランダから見える山(あの廃墟がある森のそばです)を見ると、山の中腹にある大きな楠のそばに、おじいさんが立っているのが見えたそうです。

茶系のシングルのスーツを着て、深い赤のネクタイを締め、スーツと同じ色の山高帽をかぶったおじいさんが、杖を突いて立っていたそうです。
スラッととてもいい姿勢で立っていたそのおじいさんは、何故か姉の方を見て柔和に微笑んでいたそうです。

あまりにも屈託の無い笑顔だったんで姉も会釈を返したそうなんですが、おじいさんは右手を上げて軽く手を振り返してくれたそうです。

で、姉は洗濯物を取り込む途中だった為にほんの一瞬おじいさんから目を逸らしたそうなんですが、その一瞬のうちにおじいさんは雲のように掻き消えてしまったそうです。

その後になって姉が色々思い出したことなんですが・・・
そのおじいさん、どう考えても変なことに、傍らの楠と同じぐらいの背の高さがあったように見えたそうで・・・
大人が2人がかりで幹を抱えられるぐらいの、結構でかい木なんですが・・・(汗
#高さにして7〜8メートルぐらい?

そのうえどう考えてもおかしいのが、姉の家からその楠までって、どう短く見ても300mは離れてるんですよ。
常人が裸眼で相手の表情を読み取れる距離じゃないです・・・

姉曰く、「悪い感じはしなかったから、たぶん心配ない」とのことでしたが・・・
番外 管理人
お姉さんはとても霊感がある方ですね。
しかしこのようにつぶさにディティールまで語っていただくと、
状況がよくわかって恐怖もひとしおです。
違和感。
現実に在るものとして現象を頭が理解しようとする。
それにずれがあると気づくに至って総身の毛がざわつく瞬間。
それを文章で表現するのって大変なことですが、お姉さんの体験の
又聞きでありながら柳猫さんの文章から感じ取れました。


次のお話がまた不思議で、
おじいさんはおじいさんでも、この人物は人間ではないようですね。
でも悪霊の類という感じではない。いやむしろ・・・
仙人か大黒天か(なんなんだ)のようにも思える。
となるとそういうものが見えるお姉さんという人は・・・
私思うに、霊界のいい所にいる人はこのように屈託がないとか無邪気とかいう風に明るいもの。
寒山拾得がそうであるように、ですね。
この世においてお姉さんがこういう体験を色々されるというのも、 意味のあることなんだろうなと思います。



第23話 なんだよ 青月 動
また、来ました青月です。

昨日、僕が原付で走ってる時です。

ズシっと何か重くなったんです。
ミラーを見ても何もないし、坂道だからかと思ってたんですけど、
よく考えたら坂道でも、
下りなんですよね。
ブレーキはかけてないし、それなのになぜか重いんです。

怖かったんで、原付を止めて後ろを見たらいるんですよね。
頭しかない人が。
首から上だけの人が荷台に乗ってるんです。
怖いと思って叩き落とそうとしたら(無駄なんですが)僕と目が合ってしまって、
「なんだよ」
って言うんです。
その後すぐに消えたんですけど、むしろこっちが「なんだよ」でした。
結局なんだったのかさっぱりわかりません。
第24話 2万年 千帆
これは小学生の時に見たへんな夢の話です。

その頃先生が週一レッスンに来てピアノを教わっていました。
連弾の練習をさぼってたのに先生が来てしまったのでとても困りました。
とてもきびしい先生で叱られると思って、
姉がレッスンしている間に寝込んでしまえばさぼれると思って寝ました。
寝るために羊を数えたら眠れました。
その時どこかへすーっと吸い込まれていくような感じがしました。
そしたら不思議な夢を見たんです。
私はちっちゃな蝶になって大きな原っぱを飛んでいました。
そこは広くて大きな岩の山がたくさん見えていました。
地平線の向こうまできれいな花が咲いていました。
私はいつまでも飛んでいきました。
2万年は飛んでいたと思います。四季が飛ぶように過ぎていきました。
そして目が覚めたんです。
2万年たった感覚は残っていて、
長い夢を見たと思ったのに姉のピアノの音はまだ続いていて
驚きました。
なんでそんなへんな夢を見たのかわかりません。
第25話 開けて くりうり
恐怖体験といえるかわかりませんが、今は亡き、父と体験した思い出です。
私が小学生の頃、部屋で父と二人テレビを見ていたら、
父が突然、「お母さんが(部屋のドアを)開けてって言ってるぞ」と言ったのです。
驚いたわたしはそんな事聞こえなかったと言うと、
「じゃあ、戸口へ行って見ろ」と言うので、近づいてみると、
確かに「開けて」と小さく声が聞こえたので、「本当だ」とドアを開けると、
そこには誰もいませんでした。
慌てて母を呼ぶと、階下の台所から返事が聞こえました。

あれはいったい、なんだったのか、不思議でなりません。
ドアを開けた事によって、何かがあったのでしょうか?
それ以来、霊を見るわけではありませんが、気配やたまに声が聞こえる事があって恐いです。

第26話 手の話しを見ていたら 顔777
手の話しは怖いね〜
この話しを見ていて今さっき何も映ってない真っ黒い画面のテレビに視線を
向けたら、テーブルの上にノートパソコンがあって
それに向かっている自分が居て、
その後ろに白いモヤモヤ したものがスーとドアの方へ通り過ぎました。
気のせいですよね。
といいつつ後ろが気になる。
第27話 瞬き 由奈
学校に忘れ物をしたので、取りに行きました。
門の前で、ぼーとしていたら
何か赤い服で、黒いスカートをはいた、小学1年生ぐらいの女の子がいました。
『ん?』と思って1回瞬きをしました。
その時!
女の子は、いませんでした。



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第28話 動物霊との遭遇? 進吉
あれは10年以上前の話です。
中学生だった僕はプレーリードッグをボスと名付けて飼っていました。
ある日、ボスは3階のベランダから飛び降りてしまい、下半身が麻痺して
動物病院でも安楽死を勧められました。

当時、僕は霊幻道士(なつかしいなぁ〜)の影響でオカルトにどっぷり
はまっていました。霊符を自作していたり・・・

で、ボスを安楽死させた日の夜、それは起こりました。
夜、ラジカセでラジオを聞いている時 ボスのことを思い出して
心の中で
「ボス 霊でもいいからもう一回逢いたいよ〜」
と叫んだ直後でした。 
ラジオの音量がゆっくりと勝手に
上がっていったんです。
何がなんだかわからず、音量のツマミを下げるのですが、
手を離すと再び音量が上がっていきました。
堪らずコンセントを抜き、再びはめると また音量が上がっていきました。
きっと、リモコンに何か押されて音量が上がっているんだろう
と思い、リモコンに目をやるが何も変わったことはなかった

その頃、トラックなどの無線(高周波)が勝手に電源を入れたりすると言うのを聴いたことがあったので
回りの道路を見てみるが
全く車の気配はなく、また同じビルでそういうものを使っている気配はなかった。
気持ち悪くなり、自作した霊符をラジカセに近付けると
不思議と音量が止まりました。
遠ざけると再び音量が上がって行きました。
ああっ きっとボスが来てくれたんだな と思い、
来てくれて有難う、安らかに眠ってねと祈ると、霊符を遠ざけても
音量は上がらなくなっていました。
今思うと貴重な体験をしたなと思います。
第29話 未来予知 新乃
このあいだ、近所のYちゃんと一緒に遊んでいたときのことです。
私が、
「もうそろそろ帰ろうか。」
と、言うと、Yちゃんは、
「だめ。」
と言いました。そのときのYちゃんはなんだか別人のような感じがしました。
私が何故か聞くと、
「だっておじいちゃんのお葬式いかなきゃいけないもん。」
そう言ったのです。ですが、Yちゃんのおじいちゃんはまだ生きています。
「何変なこと言ってるの?早く帰ろう。」
そう言うと、Yちゃんは素直に帰りました。

翌日、Yちゃんのおじいちゃんが亡くなりました。
私は信じられませんでした。昨日、Yちゃんが言ったことが、実際におこってしまったのです。
私はYちゃんに昨日のことを話してみると、Yちゃんは何も覚えていないのです。
Yちゃんと私は仲が良くて、互いに隠し事もしないくらいでした。
そんなYちゃんから私は、霊の話なんて、ほとんどしたことがありません。
あのときのYちゃんの妙な発言といい、まるで別人のような感じといい、私は不思議で仕方がありません。
第30話 私の担任 由奈
今日私の担任に腰あたりに人の手が、有りました。何だったのでしょう。
手はちゃんと有りますよほかに誰かの手が、(手首しかありませんでした)