第89話 運の強い人 光宇
これからする話はS先生から聞いた話です。

僕の学校の卒業生にZさん(男子)という人がいます。
S先生はうちの学校で、占いが出来るので有名です。
今までに何人もの生徒を占ってきたそうです。
Zさんもその一人でした。
S先生がZさんを占ったところ、どうやらZさんは特別な生まれだそうで、
普通なら運勢の波は一人に一つなのだそうですが、Zさんは二つの波を持っているみたいなのです。
こういう人は運が強く、例えば大勢の人たちが同時に大きな事故に遭ったとき、
その中にピンピンしている人がいたら、そういう人はたいてい運勢の波を二つ持っているのだそうです。
Zさんは卒業後まもなくして、
友だちと何人かで車に乗ってドライブしている最中に事故に遭ってしまったのだそうです。
そして、その事故でZさん以外の人たちは亡くなってしまったのだそうです。
それからZさんは、
そのとき一緒に乗り合わせていた友だちの霊を目撃するようになってしまったそうです。
運が強い分、災難も多いようです。
実は僕も運勢の波を二つ持っています。
小学生のとき、自転車に乗っていてバイクとぶつかったりしたことがありましたが、
運良く無傷で済みました。(ハンドルが曲がりましたが)
他には、一輪車に乗っているとき、
バレーボール(柔らかいやつです)を踏み付けてしまい前に転んでしまいました。
転んだ真ん前に大きな石のブロックがあって、もう少し前に転んでいたら頭に大怪我を負うところでした。
長くなってすみません。
番外 管理人
いますよね、強運の人。
非常事態であっという間に亡くなってしまう人もいれば、幾度も死線をかいくぐり生還を果たす人もいます。
偶然というだけでは説明しがたいケースがあるようです。
運勢の波を二つ持っているという考え方は初めて聞きましたけど、
スペアがあるということなんでしょうかね。二重に頑丈ということなんでしょうかね。
いずれにしても羨ましいです。

第90話 運の強い人2 光宇
運勢の波を二つ持っているというのは、
良い時は人の二倍良いけど、悪い時は人の二倍運勢が悪いということなのだそうです。
Zさんが事故に遭った時は、一つの波は上がっていて、もう一つの波が下がっていたのだそうです。
事故に遭ったけど助かったというのは、ここから読み取れるのではないかとS先生は言ってました。
番外 管理人
二つ持っているということ自体が変則的な一形態ということですね。
一つの波が悪くてももう一つでカバーしていると。
悪運強し、というのはこういうことを言うのですね。