第95話 やっと見つけた 雨の子 
はじめまして。
私は昔から金縛りによくあうのですが、その中でも一番怖かったもの
を書き込ませていただきます。

ある日の夜、うつ伏せで寝ていたところ金縛りにあい、同時にかん高い
若い女の悲鳴のような声が聞こえたのです。
その声が止むと、今度は上の方から何かが覆いかぶさってくる気配がしました。
べつに重かったわけではないのですが、私の顔のすぐ横に何かがいる、
そんな気配がしたのです。
何だろう思いつつも、体も動かないし目も開けられない。
早くどっかに行ってくれないかとじっと耐えていると、耳元で女の声で
「やっと見つけた・・・」と聞こえたのです。

その後、女の気配も消え、私は金縛りからも開放されました。
それからというもの、私はもちろん、家族も何事もなく普通に生活しています。
その女の声も聞こえません。

昔、わが家の前で交通事故があったのですが、その際に亡くなったのは男性でした。
そのほかにも、近所や親戚で若い女性が亡くなったという話も聞きません。
あの声の主が誰だったのか、未だに謎です・・・
第96話 無になる話 管理人
雨の子さんへ
すべては霊の「やっと見つけた」という言葉に集約されているような気がします。
霊となって生前の思いが強すぎると霊界へいけずに彷徨うことになります。
一体いつの時代の霊なのかもわかりませんが、思いを残した人を探しているのでしょう。
それは心中の片割れかもしれないし、怨みを残した相手かもしれなく。
年月が経つうちに霊自身も生前の記憶が薄れ、
雨の子さんの寝姿に、探していた相手の面影を見たのではないでしょうか。
反応がないためまた人違いかと思い、去って行ったのかもしれません。

それに関連して、だいぶ前にHPの開かずの間掲示板にて、
霊感のある方々と語り合った話を書いてみます。
ファイル保存していたつもりだったのにログが見当たらないので残念です。

旧い時代の霊が見当たらない、というのが不思議だという話になりました。
戦国時代の霊などは古戦場跡などでよく見られるものですが、
石器時代、奈良時代や平安時代の霊は見ないようです。
これはつまり一定期間が過ぎると現界にいる霊が自然消滅してしまうのではないか、と。
霊と霊界の存在否定していると死んでから自分の死を自覚できずに彷徨います。
その間に、死んでから後意識のあること、行くべき世界があることを自覚した霊は、
成仏していきます。
では頑ななまでに自分の死を信じない霊はどうか、というといずれ消滅してしまう結果に
なるのでは。
人はやはり自分の望む自分になるのだ。死んで無になると強固なまでに
考え続ければ、そうなりたい無に結局はなるのだ。
・・・といったなんだか怖い結論になったのでした。