第80話 確かに一度行った場所(フランス) 遠子 |
私は仕事上、数年前に毎月何度もフランスのパリへ行く機会がありました。 勿論仕事で行くので、1泊が普通。 現地に既知で3か国語ペラペラの友達が博士号取得のために住んでいたので、 行くたびに色々な所をメトロ(地下鉄)とバスを利用して一緒に観光を兼ねて行きました。 ある時彼女が日本に帰国していてパリにいなかった時があり、 私は一人で乗りなれてきたメトロに乗り、ルーブルではなく、その近くの駅で降り、 散策を兼ねてルーブルに向かって行きました。 そして突然、広がった円形の広場らしき所に出ました。 そこには現代アートとでもいうのでしょうか、 私の身長くらいの首というか、石で出来た頭が転がっており、 それから他には相対するかのように、無器質的なオブジェのような石質のものがありました。 よく見ると、それらはバランスが取れている光景でした。 近くにはよくフランス内で見られる、フライング・ボルトと呼ばれる、 特徴のある屋根の補強がついている、中世代に作られたらしき教会がありました。 その場所はとても、絵を描く私にとっては興味をなくしがたき所でしたので、 また次回パリに来たら是非行って、写真を取ろうと思ったのですが、 後から場所の名前と位置を例の既知の友人にきいても、 そんな場所は見た事がないし、きいた事もない。と言われたのです。 彼女はその時点でパリに住んで3年たっていました。 お金をセーブする為に歩くかメトロを使う生活の彼女がいうその言葉に、狐につままれたような気がしました。 そして私はまた再びパリに行った時にその地を訪れようとしましたが、ついに行き着けずじまいでした。 みなさん、あの場所は現実に存在するのでしょうか? 私にはとうとう見つけられませんでした。 私がその場所に遭遇した時、なぜか他には人がおらず、不自然な感じがしたのを覚えています。 「地球*歩き方」にも載ってはいませんでした。行ったことがある方はいますでしょうか…?? |